現代の国際分業とグローバル・サプライチェーンについての一考察
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- 鈴木 洋太郎
- 大阪公立大学
書誌事項
- タイトル別名
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- A Study on the Contemporary International Division of Labor and Global Supply Chains:
- Focusing on the Location Behavior of Japanese Multinational Corporations in Asia
- ―日本の多国籍企業のアジアへの立地行動を中心として―
抄録
<p> 現代の国際分業に対しては,多国籍企業の立地行動とグローバル・サプライチェーンが大きな影響を与えている.本稿では,日本・アジアにおける国際分業の変化や近年における日本の多国籍企業のアジアへの立地行動の特徴について整理するとともに,グローバル生産ネットワーク論(特に ,グローバル生産ネットワークの動態の論理) の議論を参考にしながら,現代の国際分業の編成の論理を検討した. <BR> 先進国が重化学工業製品を,発展途上国が一次産品や軽工業品をそれぞれ輸出するといった,従来の国際分業パターンは,その当時における世界経済の立地環境(先進国と発展途上国の立地環境) を反映している.そして,こうした世界経済の立地環境を背景にして,多国籍企業の立地行動が進展してきたわけだが,逆に,多国籍企業の立地行動が世界経済の立地環境に対して影響を与えることになる.現代の国際分業では,先進国だけでなく一部の発展途上国(新興国) が重化学工業で国際競争力を発揮するようになってきているが,多国籍企業の立地行動とグローバル・サプライチェーンの進展が新興国の経済成長や立地環境変化を促進していると考えられる.日本の多国籍企業のアジアへの立地行動とグローバル・サプライチェーンに関しては,以上のような論理が特に当てはまるといえる.</p>
収録刊行物
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- 経済地理学年報
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経済地理学年報 69 (1), 23-34, 2023-03-30
経済地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390299673816556032
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- ISSN
- 24241636
- 00045683
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可