健診を契機に発見された後腹膜海綿状血管腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Retroperitoneal Cavernous Hemangioma Detected on Physical Examination
  • ケンシン オ ケイキ ニ ハッケン サレタ アトバラマク カイメンジョウ ケッカン シュ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

<p>症例は52歳,女性.健診で高血圧を指摘され,当院循環器内科へ紹介となった.原発性アルドステロン症の除外目的に施行した腹部造影CTにて副腎に異常は認めなかったが,十二指腸水平脚背面と右腎との間に石灰化を伴う平衡相で淡い造影効果を伴う腫瘤を指摘された.PET-CTでは淡いFDG集積を認め,MRIではT1WIで低信号,T2WIで著明な高信号を呈した.画像所見から神経原性腫瘍,脂肪肉腫,血管肉腫を疑った.術前生検は腫瘍細胞播種の危険性を考慮し,実施しなかった.手術は開腹腫瘍切除術を施行した.病理組織学的所見では海綿状血管腫と診断された.後腹膜原発の血管腫は後腹膜腫瘍のうち約1~3%と稀な疾患である.他部位原発の海綿状血管腫とは異なり造影効果に多様性があるため,術前診断に苦慮する症例が多い.本症例でも画像所見による術前診断は困難であった.典型的な画像所見を示さない後腹膜腫瘍病変の鑑別にも後腹膜海綿状血管腫の存在を考慮すべきであると考える.</p>

収録刊行物

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ