都市部在住高齢者におけるスマートウォッチの受容

DOI
  • 出口 直樹
    東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム
  • 桜井 良太
    東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジングチーム
  • 雛倉 圭吾
    東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジングチーム
  • 笹井 浩行
    東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム

抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p>スマートウォッチ (以下、SW)は、個人の健康や活動状態を記録し、その情報をもとに行動変容を促す腕時計型のウェアラブル機器である。SWは慢性疾患の予防や高齢者の健康を管理する上で役立つことが示されている。SWの関心の関連要因を明らかにすることは、高齢者におけるデジタルヘルス技術を用いた個人の効果的な健康管理の促進に役立つと考えられる。本演題では、我が国の都市部在住の高齢者におけるSWの受容や関心および購買意欲ついて、”Senior’s technology acceptance model”や“Acceptance model for smart watches”などを参考に、記述的な分析や横断的に関連要因について分析した内容について報告するとともにSWにおける今後の課題について報告する。 </p><p>【方法】</p><p>本演題は東京都の“スマートウォッチ等デジタル機器活用事業”において東京都健康長寿医療センター研究所が実施する包括的老年医学コホート内で実施したデータを使用し分析した。 </p><p>【結果】</p><p>SWの保有割合は4.2%で、男性4.1%、女性4.3%と性差は観察されなかった。一方で、SWの購買意欲は男性19.1%、女性25.2%と女性で高かった。SWの関心の高さには、男性は 肥満や慢性疾患の罹患など自身の健康に関する要因が関連し、女性では人口社会的要因やICTリテラシーが関連した。SWを保有する理由について、“自身の健康状態を把握したいため”が 75%を超えていた。途中でSWを使用しなくなった理由として、 “着用ストレスや機器への不満”が40%程度存在した。 </p><p>【結論】</p><p>都市部在住高齢者におけるSWの関連要因に性差が存在した。このため、SWへの関心を高めるための介入には、性差を考慮したアプローチが必要かもしれない。また、SWを長期間装着してもらうためには、自身の知りたい健康情報が表出され、着用ストレスが少ないウェアラブル機器が求められる。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>東京都健康長寿医療センター研究所の倫理委員会の承認を得た (承認番号:R21-056番)</p>

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