2022年度日本理学療法士協会高年齢労働者就労支援モデル事業の活動報告(新潟県)

DOI
  • 中山 裕子
    (公社) 新潟県理学療法士会 新潟中央病院 リハビリテーション部
  • 佐藤 成登志
    (公社) 新潟県理学療法士会 新潟医療福祉大学 義肢装具自立支援学科
  • 郷 貴大
    (公社) 新潟県理学療法士会 看護リハビリ新潟保健医療専門学校 理学療法学科
  • 高鳥 真
    (公社) 新潟県理学療法士会 晴陵リハビリテーション学院 理学療法学科

抄録

<p>【はじめに】</p><p> 本士会は,2022年,日本理学療法士協会の高年齢労働者の就労支援事業 (以下,支援事業)へ応募,採択された.これまでの活動の概要と課題,今後の展望について報告する. </p><p>【事業概要】</p><p> テーマは「高年齢労働者のための転倒・腰痛・膝痛予防」とした.支援事業の目的は,高齢者が安心して長く就労できる身体的環境を理学療法士の知識,技術で支援し整えるとこと,士会運営のための外部資金を獲得すること,理学療法士の雇用 (活躍)の場を創出することである.まず初年度の目標として,本事業の周知,講演スライド・原稿作成,個別対応の評価・運動機能評価・体操内容の作成,新規受託の開拓,料金設定を挙げた. 支援事業の対象は,シルバー人材センターに登録する会員と新潟産業保健総合支援センターから紹介を受けた企業とした.内容は,①講演+体操体験,②講演+個別体操指導,③身体機能評価+個別指導の計画とし,2022年度は費用を無料とした. 事業紹介のチラシを作成して上記機関へ広報目的に送付した.依頼のあった事業所にヒアリングを行い,ニーズや現状での課題をふまえ①~③のいずれかの内容,派遣会員数等の詳細を決定した.2022年6月~23年1月の間に上記①の内容を7か所で, ②の内容を2か所で実施した.参加者は計310名,会員派遣は延べ38名に上った. </p><p>【課題と今後の予定】</p><p> 初年度は予想以上の依頼があった一方で,派遣が一部の会員に限局される等,人材育成が急務となった.そこで,会員向け研修会を2回,支援事業の説明会を1回開催した.多くの会員の参加を得て,支援事業へ協力したいという声も聞かれている.今後は会員が支援事業に参加するためのプロセス (条件)を決定し,周知する必要がある.また,収益事業へ発展させるためにも,これら協力会員を登録管理するシステム構築,および依頼受付から事業終了までのマネージメントを担う事務局の強化が必須である. 初年度の各目標は一定程度達成したものと考えているが,計画に挙げた③の内容については実施することができなかった.今年度は,さらに上記の内容に④作業環境・姿勢評価+個別指導を追加し,依頼先のニーズに応じつつ,より詳細かつ深化した内容へ展開することや効果検証等も視野に活動継続したい. </p><p>【結語】</p><p> 今後の産業保健においては,労働者の加齢による身体機能の変化を考慮した運動指導,作業姿勢などの指導を理学療法士が実施することが求められる. </p><p>【倫理的配慮】</p><p>参加者へのアンケート調査は無記名とした.</p>

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