バイオテクノロジーを用いた新薬開発のイノベーションプロセス

DOI
  • 山崎 挙央
    一橋大学大学院経営管理研究科博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • The Innovation Process for Biotechnology-based New Drug Development: Why is the New Drug Market Getting Smaller?
  • ―なぜ、新薬市場は小規模化するのか―

抄録

<p>昨今開発される新薬は、バイオ薬や分子標的薬といった新しい類型の製品に移行している一方で、その新薬の適応市場は小規模化する傾向がある。バイオ/分子標的薬開発への移行は、医薬品企業にとっては、開発・製造コストが嵩み、高いスイッチング・コストや高い開発結果の不確実性というリスクをとる必要がある。それにもかかわらず、開発された新薬の適応市場が小規模化するということは、製品開発イノベーションの一般的な概念からは一見矛盾する。</p><p>直近、約20年の肺癌領域の新薬開発の事例を調べると、技術の社会的形成論に沿った「治療標的の具体化」、「バイオ・分子標的薬の登場」、「適応力患者の限定」という3つの局面の相互関係の中で開発が進み、「臨床的価値の向上」という条件を満たして創薬されるという新薬開発プロセスの変化が明らかになった。「新薬市場の小規模化」という現象は、新薬開発プロセスの一つの局面として捉えることができる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299673817734016
  • DOI
    10.24677/riim.21.0_161
  • ISSN
    24336971
    13492233
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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