ヘルスリテラシーと健康信念モデルの諸概念が継続消費行動に与える影響に関する実証研究

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タイトル別名
  • Empirical Study on the Influence of Health Literacy and Health Belief Model Concepts on Continuous Consumption Behavior

抄録

治療薬の残薬や不適正使用は臨床的な問題を超え、医療資源の非効率的な配分の原因として経済的な問題ともなっている。海外では、伝統的な健康行動理論を用いて、この影響要因を検討する試みがある。しかし、日本人を対象としたものは稀有である。さらに、近年着目されているヘルスリテラシーの医薬品の継続消費行動への影響についても十分な知見が得られていない。そこで、本研究では、健康行動理論に基づいた分析モデルを拡張し、ヘルスリテラシーも含めてパス解析によって医薬品の継続消費行動への影響について再検討を試みた。慢性疾患(高血圧と糖尿病)、急性期(抗菌薬)の内服薬、更には外用薬(緑内障)を継続的に使用する必要のある患者それぞれ300名、計1200名にweb調査を行った(疾患重複無し)。分析は先行研究をもとに、継続消費と意図的/非意図的中断を目的変数として、1)健康信念モデルの諸概念のすべてがヘルスリテラシーを媒介する全階層化モデル、2)自己効力感のみが媒介する部分階層化モデル、3)階層化せずに要因変数すべてを並列とするモデル、を検討した。結果として、3)すべて並列モデルが採択された。影響度順では、飲み忘れなどの非意図的中断への対処が最優先され、次いで患者の自己効力感を高めること、また、特に糖尿病や緑内障では意図的な中断への配慮も必要なことが示された。一方で、ヘルスリテラシーは影響の程度は他の概念と比べてそれほど大きくないことが示された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299673817749888
  • DOI
    10.18961/seikatsukeizaigaku.58.0_1
  • ISSN
    24241288
    13417347
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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