回復期リハビリテーション病棟に入院した脳血管障害患者における退院前訪問指導実施予測モデルの開発

  • 中原 啓太
    関西福祉科学大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 大阪公立大学 リハビリテーション学研究科 作業療法学領域
  • 嶋 定清
    社会医療法人甲友会 西宮協立リハビリテーション病院
  • 門脇 誠一
    社会医療法人甲友会 西宮協立リハビリテーション病院
  • 横井 賀津志
    大阪公立大学 リハビリテーション学研究科 作業療法学領域

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a predictive model for the implementation of pre‐discharge visitation guidance for cerebrovascular patients admitted to recovery phase rehabilitation wards

抄録

<p>【序論】</p><p>回復期リハビリテーション病棟おいて地域連携をする方法の一つとして,退院前訪問指導がある.退院前訪問指導は,病院から在宅復帰する際に,病院と介護保険領域スタッフとの連携を促進するために必要な援助方法である.回復期リハビリテーション病棟に関連する職種は,計画的な退院支援をするために,退院前訪問指導を実施する対象の患者を予測し,調整する必要がある.</p><p>【目的】</p><p>回復期リハビリテーション病棟に入院する脳血管障害患者の入院時に得られるデータから退院前訪問指導実施を予測するモデルを開発することである.</p><p>【方法】</p><p>脳血管障害患者を訪問指導実施群,訪問指導非実施群の2群に分けて後ろ向き研究を実施した.分析は,ロジスティック回帰分析にて有意差が認められた変数に関してReceiver Operating Characteristic曲線をもちいて,訪問指導実施の有無のカットオフ値,感度,特異度,曲線下面積を算出した.</p><p>【結果】</p><p>対象者は,脳血管障害患者137名のうち退院前訪問指導実施群が59名,非実施群が78名であった.退院前訪問指導実施を予測する要因は,入院時「運動FIM」が標準化係数-0.077(オッズ比0.926, 95%信頼区間0.899~0.945)が選択された.カットオフ値は52.5(感度0.932,特異度0.397, AUC0.833)であった.</p><p>【結論】</p><p>本モデルは,感度と特異度に基づく基準から,訪問指導が必要となる脳血管障害患者の特定に有用であるが,訪問指導を実施しない脳血管障害患者を選択する際の有用性は限定的である.</p>

収録刊行物

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ