段階的難易度調整と称賛を用いた介入が重度認知症患者の立位保持時間に及ぼす影響

DOI
  • 中島 秀太
    医療法人社団千葉秀心会東船橋病院リハビリテーション科
  • 加藤 宗規
    了德寺大学健康科学部理学療法学科

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タイトル別名
  • The influence of praise and adjustment of step-by-step difficulty on the standing position holding time of a severe dementia patient

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抄録

重度認知症を有する症例を対象として,段階的難易度調整と称賛を用いた介入が立位保持とトイレ動作時の介助量に及ぼす影響を検討した.【方法】症例は,多発性脳梗塞発症後に立位保持困難となった80歳代女性である.改訂長谷川式簡易知能評価スケールは9点であり重度認知症を認めた.介入前は手すりを使用しても30秒間の立位保持にとどまり,トイレ介助は二人介助での実施であった.介入は前方に支持物を置いた前腕支持から始め,4段階の難易度調整を行った.段階の引き上げ基準は3実施日連続で60秒間の立位保持達成とし,課題が成功した場合には称賛を行った.【結果】介入7日後には60秒間の立位保持が可能となり,一人介助でのトイレ誘導が可能となった.介入期間内に機能的変化を認めなかった.【結論】本症例に対して行った段階的難易度調整と称賛を用いた立位保持訓練は,立位保持とトイレ動作介助量軽減に有効であったと考えられた.

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