道具の把握に選択的な失行

DOI
  • 大森 智裕
    国際医療福祉大学成田キャンパス 保健医療学部 言語聴覚学科 国際医療福祉大学成田病院 リハビリテーション技術部
  • 船山 道隆
    足利赤十字病院 神経精神科
  • 穴水 幸子
    国立病院機構栃木医療センター 精神科
  • 石川 芽衣
    川越リハビリテーション病院 リハビリテーション部

書誌事項

タイトル別名
  • Selective Hand Posture Apraxia:
  • A Review of Four reported Cases
  • ‐自験例を含めた4事例のレビュー‐

抄録

<p>失行の検査では手の把握型や道具操作を分けた評価が重視されているが、道具の把握に選択的な失行を呈する患者の報告は、世界中でこれまでに4例のみにとどまっている。本報告の目的は、我々の症例を含め、これまで報告された道具の把握が選択的に障害された4症例をレビューし、責任病巣や神経学的症状、神経心理学的症状のほか、失行症状の詳細を比較することにより、道具の把握に選択的な失行を体系的に明らかにすることであった。レビューの結果、道具の把握に関連する脳領域は左頭頂間溝の前方領域が想定され、左一側病変であれば右手に、両側病変であれば両手に道具の把握の選択的な失行を生じる可能性が認められた。報告された症例の内2例は、右手に感覚障害を認めていた。また、全例共通して、道具の把握の誤りを呈する一方、把握を矯正すると正しい道具操作が可能であることから、道具を操作する能力は保たれていることが示唆された。以上より、道具の把握に選択的な失行の検出には、責任病巣・左右手の確認、道具の意味・把握・操作を分けた評価が必要である。これらの評価は、より効果的なリハビリテーションの方法と各要素の神経基盤の解明に繋がる可能性がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299673820413824
  • DOI
    10.50970/cogrehab.2024.002
  • ISSN
    24364223
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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