造血幹細胞移植前処置後早期に喉頭浮腫による気道狭窄をきたし気管挿管を必要とした急性骨髄性白血病の 1 例

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タイトル別名
  • A case of acute myeloid leukemia requiring endotracheal intubation due to airway stenosis caused by laryngeal edema early after pre-transplant conditioning regimen

抄録

造血幹細胞移植前処置に伴い移植後早期に出現する粘膜障害は高頻度に認める有害事象である. しかし,粘膜障害から高度の喉頭浮腫をきたし,気道が狭窄し呼吸困難に至る症例は少ない. 症例は 61 歳男性で,下咽頭癌に対して化学療法と70 Gy の放射線治療を受けた既往があった. 治療から 2 年 6ヶ月後に治療関連白血病を発症した. 寛解導入療法など各種化学療法に抵抗性を示し,治療中にたびたび感染症を合併したが,軽度の喉頭浮腫は持続していたものの気道狭窄をきたすほどではなかった. 原病は非寛解であり,移植前の全身状態は HCT-CI スコア 3,胃瘻が造設されている状態であったが,患者の強い希望もあり,骨髄非破壊的前処置を用いて臍帯血移植を行った. 移植後早期に粘膜障害からの高度の喉頭浮腫をきたし, ヒドロコルチゾンを投与したが改善せず,気道が狭窄し呼吸困難となったため気管挿管を必要とした. 本症例は,移植前処置による粘膜障害をきたしたことを契機に,過去の放射線照射部位が高度の喉頭浮腫をきたし遅発性気道狭窄と呼吸困難に至ったと考えられた. 咽頭への放射線治療後に造血幹細胞移植を行う際は,粘膜障害・喉頭浮腫による重篤な気道狭窄が生じる可能性を念頭に置くべきである.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299682763711744
  • DOI
    10.24689/sms.50.2_57
  • ISSN
    13471031
    03855074
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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