Alectinibによる完全奏効達成後に同種造血幹細胞移植を施行した難治性ALK陽性未分化大細胞リンパ腫

書誌事項

タイトル別名
  • Successful bridging therapy with alectinib prior to allogeneic stem cell transplantation for refractory ALK-positive anaplastic large cell lymphoma
  • Alectinib ニ ヨル カンゼン ソウコウ タッセイ ゴ ニ ドウシュ ゾウケツ カンサイボウ イショク オ シコウ シタ ナンチセイ ALK ヨウセイ ミブンカ ダイ サイボウ リンパシュ

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抄録

<p>Alectinibは再発または難治性のALK陽性未分化大細胞リンパ腫(ALCL)に対して優れた有効性と安全性を有するが,同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)へのbridging therapy(BT)としての位置づけや,奏効例におけるallo-HSCTの有用性は不明である。症例は35歳,男性。CHOP療法後に再発したALK陽性ALCLに対して,brentuximab vedotinで部分奏効となり大量化学療法併用自家造血幹細胞移植を施行した。しかし,移植後15ヶ月で増悪したためalectinibを開始し,3ヶ月で完全奏効となった。5ヶ月間治療し,同剤の中止後に,fludarabine,busulfan,全身放射線照射を前処置としてHLA 1座不一致非血縁者間同種骨髄移植を行った。GVHD予防はtacroilmusと短期methotrexateを用い,急性GVHDはgrade Iであった。移植後はalectinibを再開せずに2年間再発を認めていない。本症例の経過から,再発・治療抵抗性ALK陽性ALCLにおけるalectinibによるBTとallo-HSCTの有用性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 65 (3), 158-163, 2024

    一般社団法人 日本血液学会

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