建設系大学院生の研究室への参加と変化の過程 : 一人の留学生の事例から

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  • Participation and Transformation Processes in Research Laboratory : A Case of an International Graduate Student in Civil Engineering

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抄録

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[要旨] 本研究は、日本の建設系大学院の英語プログラムに留学したフィリピン出身の留学生Aさん(仮名)が、日本の建設・防災技術を学ぶ過程で変化していった過程を、所属先の研究室という固有の文脈の中で解明することを目的とした。解釈的アプローチを研究の立場とし、参与観察とインタビューをデータ収集法とする研究方法論を採用し、「正統的周辺参加」をデータ分析の枠組みとした。データ分析の結果、Aさんの「研究室での立場の変化」、「専門領域についての理解の変化」、「建設分野における自分の役割についての認識の変化」という三つの過程が相互連関的に生じていたことがわかった。具体的には、Aさんは下級生から最上級生へと研究室での立場と役割を移行させる過程で、院生同士の教え合い・学び合いという関係を通して、土木工学研究のアプローチや研究の視点を拡張・深化させていたこと、こうした研究に対する視野の広がりと理解の深まりは、Aさん自身の将来の目標や自分が担う役割についての認識の変化とも関係していたこと、この役割認識の変化には院生としての立場の移行に伴う教える経験も関係していたことが明らかになった。

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