1950年代の日本のテレビ・コマーシャルにおけるアニメーション表現の動向

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  • Trends in animation expression in Japanese television commercials in the 1950s
  • 1950ネンダイ ノ ニホン ノ テレビ コマーシャル ニオケル アニメーション ヒョウゲン ノ ドウコウ
  • 1950年代の日本のテレビコマーシャルにおけるアニメーション表現の動向

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抄録

本稿の目的は,民間テレビ局が開局した1953年から数年の間テレビCM の多くを占めたアニメーションによるCM の実態を検証すること,そしてこれを当時の社会がどのようにうけとめたか,その後の広告にどのように接合したのかについて考証することにある。最初の卓越したアニメCM の表現は,戦後開発された人形アニメの技術によってもたらされた。戦前からのアニメ映画の制作人材は,多数のフルアニメーションによるテレビCM を制作したが,これは小さな画面をもつテレビの媒体特性に適さず,開局から3年余りで問題視されはじめた。一方アニメ界の先導者らは,海外で少し前から始まっていた脱ディズニーを標榜した表現群を知り,制約のない本来の自由な表現による「アニメ独自の芸術性」を志向していく。こうした中で1958年にテレビCM においてアニメ独自の表現が初めて実現する。日本教育テレビの開局(1959年)直後の特殊な番組がこの新しいアニメ表現を放映し,これをきっかけとしてアニメ独自の表現への社会的な認識が広まっていった。

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