大学におけるLGBTQ+エンパワーメントの実践 : 米国ケント州立大学と大阪大学の事例から

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タイトル別名
  • Practices of LGBTQ+ Empowerment in University Contexts : Case Study from Kent State University, USA, and Osaka University, Japan
  • ダイガク ニ オケル LGBTQ+ エンパワーメント ノ ジッセン ベイコク ケント シュウリツ ダイガク トオオサカダイガク ノ ジレイ カラ

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調査報告

近年,日本の国家政策,特に自殺防止や教育的配慮,労働施策に性的マイノリティ(LGBTQ+)が組み込まれてきた.しかし,国内の大学において学生の自殺事件が発生するなど,種々の調査からも大学におけるLGBTQ+の置かれる状況は改善されてきているとはいえず,LGBTQ+に対するエンパワーメントが十分に実践されているとはいえない.今回,筆者は大阪大学事務職員の立場で,文部科学省が企画する国際教育交流職員長期研修プログラムの2022年度派遣メンバーとしてオハイオ州におけるケント州立大学のLGBTQ+センター,及び所属元である大阪大学本部事務機構企画部ダイバーシティ推進課の事務職員へインタビューする機会を得た.本稿では,文献調査及びインタビュー調査を通じて,国内の大学におけるLGBTQ+エンパワーメントの取組み,及び大学のインクルーシブな運営に資するような実践を紹介することを目的とした.結果,ケント州立大学のLGBTQ+センターが,LGBTQ+学生支援の取組みを通じて「有益な構造」サイクルを構築することにより大学の運営に貢献している一方で,大阪大学は管理職層の意識改革に焦点を当て,アンコンシャスバイアスに対処しようとしていることが明らかになった.

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