抄録
本稿は日本語母語話者にとって「やさしい日本語」とは何か、使用者の「意識」「マインド」の面からその意義を考察するため、「やさしい日本語」の指導者である講座担当者を対象に調査を行い、その結果をまとめたものである。調査対象者は「やさしい日本語」の講座担当者(経験回数により、ベテラン、中堅、初任者の3群に分類)であった。自由記述式アンケートの結果、「初任者」については主に日本語の形式に関する語が、「ベテラン」については外国人との接触場面に関する語、「やさしい日本語」使用者の「意識」に関する語がキーワードとして見られた。つまり、講座担当の経験を重ねた者は、他者への「やさしい日本語」の指導を通して、より「多文化共生」へと態度の変化が見られたということである。本調査の結果から、今後「やさしい日本語」の日本語母語話者にとっての「意識」「マインド」面での意義を考える示唆を得た。
収録刊行物
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- 甲南大学全学共通教育センター紀要
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甲南大学全学共通教育センター紀要 2 121-135, 2024-03-13
甲南大学全学共通教育センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390299749788957952
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- ISSN
- 27584917
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可