中山間地域に居住する高齢者の生活行為としての畑作業と身体・認知機能との関連

  • 北村 美渚
    徳島大学大学院医歯薬学研究部地域医療福祉学分野
  • 白山 靖彦
    徳島大学大学院医歯薬学研究部地域医療福祉学分野
  • 後藤 崇晴
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野
  • 市川 哲雄
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野
  • 藤原 真治
    美馬市国民健康保険木屋平診療所

書誌事項

タイトル別名
  • Association between working in small-scale cultivated land as a daily-life task and the physical and cognitive functions among elderly people in hilly and mountainous areas

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説明

<p>目的:本研究では,中山間地域に居住する高齢者の生活行為である畑作業と身体・認知機能との関連について検証することを目的とした.方法:対象は,徳島県美馬市木屋平地区の診療所に月1回以上通院し,かつ畑を有する65歳以上の高齢者91名とした.畑作業として1週間の畑作業時間,身体機能として歩行速度,認知機能としてMini-Mental State Examination(MMSE)を聞き取り及び測定した.変数間の関連については,カテゴリ変数化した歩行速度(1,1 m/s以上;0,1 m/s未満)とMMSE(1,28点以上;0,28点未満)を従属変数,それぞれ畑作業時間を独立変数とし,年齢とBody Mass Index(BMI)を調整変数として段階的に投入する2項ロジスティック回帰分析を行った.結果:対象者は,男性31名,女性60名,年齢78.5±6.6歳で,畑作業時間は18.0±13.2時間,BMIは23.4±3.0 kg/m2,歩行速度は0.95±0.28 m/s,MMSEは26.6±3.1点であった.変数間の関連について,従属変数を歩行速度とした場合,モデル1(非調整),モデル2(年齢調整),モデル3(年齢・BMI調整)において畑作業時間との有意な関連は認めなかった.従属変数をMMSEとした場合,畑作業時間のオッズ比はモデル1で1.055(p=0.006),モデル2で1.051(p=0.011),モデル3で1.054(p=0.010)であり,いずれのモデルにおいても有意な関連を認めた.結論:畑作業は,身体機能とは関連せず,認知機能と有意に関連した.中山間地域に居住する高齢者の生活行為としての畑作業は,認知機能の維持に寄与する可能性が示唆された.</p>

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参考文献 (12)*注記

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