神戸大学の全学共通授業科目における全学出動態勢の課題 ([特集] 教養教育のあり方を考える)

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  • Issues for Ensuring Equal Distribution of University-Wide General Education Responsibilities among Faculty in Kobe University ([Feature]Reconsidering Liberal Arts and Sciences )

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抄録

本論文では、大学教育における全学共通授業科目の運営に関する問題に焦点を当て、全学共通授業科目において、誰が責任を持って運営すべきかが曖昧であることを指摘した。また、1994 年の教養部解体以降、専任教員のほとんどが部局に所属している現状で、共通教育におけるこの問題が顕在化していることを述べた。さらに、全学共通授業科目における全学出動という理念が導入されたものの、責任の分散と不公平感が解消されずに現在に至っていることも指摘した。この共通教育の問題が教育改革の妨げとなっているとの見解を示した上で、教育コストの見える化や負担感の公平性を解消を図るための部局負担モデルを提案し、モデルケースについて検証した。このモデルは、共通教育負担に関する考え方の大転換を求めるものであり、教養部解体に伴う一連の共通教育改革の経緯から、部局にとっては受け入れ難い面があるが、共通教育において自学部の学生にどれくらいコストがかかっており、誰があるいはどの部局が、人的貢献が大きいかを認識してもらうためには意義のあるものではないかと推察された。

収録刊行物

  • 大學教育研究

    大學教育研究 32 31-37, 2024-03-31

    神戸大学大学教育推進機構

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