コロナ禍における外国人留学生の不安に関する縦断的研究 : PAC 分析による不安の変化に注目して

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  • コロナ カ ニ オケル ガイコクジン リュウガクセイ ノ フアン ニ カンスル ジュウダンテキ ケンキュウ : PAC ブンセキ ニ ヨル フアン ノ ヘンカ ニ チュウモク シテ

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抄録

本研究は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の影響が長期化している中、外国人留学生がどのような「不安」を感じているか、またその「不安」がどのように変化しているかを明らかにすることを目的としている。「不安」に関する研究は心理学や精神医学等の様々な観点で行われてきているが、本研究では教育心理学の観点から、「自己を脅かす可能性のある破局や危険などのリスクを予想する感情」であると定義し(吉村2017)、2021年4月から2023年4月までの間に3回にわたって文系大学院に在学している中国人留学生3名を対象にPAC分析を行い、不安の変化に注目して分析を行った。注目すべき結果は、修士課程が修了した後の3回目の調査でも一人暮らしに対する不安、新生活や新たな挑戦に対する不安を示すクラスターが出現したことである。COVID-19の影響を受けて日本社会への適応や人間関係の構築のプロセスが十分に経験できなかったことから、留学生活が進んでいる中で新入生が抱えているような不安を感じ続けていることが明らかになった。外国人留学生が抱えている不安の形が明確になったことから、教育現場でどのような支援が必要なのか検討を行い、適切な対策を取る必要があると主張する。

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