上下顎骨切り術での術中オンダンセトロン塩酸塩水和物投与の術後悪心・嘔吐予防効果

DOI
  • 藤岡 瑛美
    大阪大学大学院歯学研究科歯科麻酔学講座
  • 花本 博
    大阪大学大学院歯学研究科歯科麻酔学講座 広島大学大学院医系科学研究科歯科麻酔学
  • 髙津 芙美
    大阪大学大学院歯学研究科歯科麻酔学講座
  • 森田 弥生
    大阪大学大学院歯学研究科歯科麻酔学講座
  • 木村 里咲
    大阪大学大学院歯学研究科歯科麻酔学講座
  • 柳樂 拓夢
    大阪大学大学院歯学研究科歯科麻酔学講座
  • 丹羽 均
    大阪大学大学院歯学研究科歯科麻酔学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Intraoperative Ondansetron on Preventing Postoperative Nausea and Vomiting in Orthognathic Surgery

抄録

<p> 【要旨】 上下顎骨切り術を受ける患者では術後悪心・嘔吐(postoperative nausea and vomiting:PONV)の発生率が高く,プロポフォールによる全静脈麻酔で管理しても残存している.われわれは,全静脈麻酔で管理した上下顎骨切り術でのPONV発生率を,オンダンセトロン塩酸塩水和物投与の有無で比較した.2020年4月から2023年3月までにプロポフォールによる全静脈麻酔で上下顎骨切り術を受けた患者を対象とした.年齢,性別,肥満度,手術時間,出血量,意識下挿管,フェンタニルクエン酸塩およびオンダンセトロン塩酸塩水和物の投与量,喫煙歴および過去のPONV歴,術後頭痛を電子カルテから抽出した.術後24時間以内の悪心,嘔吐,制吐剤の使用も抽出し,少なくとも1つを認めた場合に主要評価項目であるPONVとした.対象患者をオンダンセトロン投与群と対照群に分け,傾向スコアマッチング後にカイ二乗検定を用いてPONV発生率を比較した.対象患者291例のうち,マッチング後の各群78例で解析した.オンダンセトロン投与群のPONVの発生率(21%)は対照群(36%)よりも有意に低かった(p=0.033)が,副作用である術後の頭痛は両群間で有意差を認めなかった(p=0.405).全静脈麻酔で管理した上下顎骨切り術を受ける患者において,オンダンセトロン塩酸塩水和物は頭痛を増加させずPONV軽減に有効である.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299826874705408
  • DOI
    10.24569/jjdsa.52.2_106
  • ISSN
    24334480
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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