術中CT撮影で摘出し得た舌迷入魚骨異物の1例

DOI
  • 石塚 良太
    獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 嶋村 洋介
    太田総合病院耳鼻咽喉科 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
  • 小島 博己
    東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of a Fish Bone Foreign Body in the Tongue that was Removed by Intraoperative CT

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抄録

<p>魚骨異物の多くは口蓋扁桃や舌根に認められるが,舌に迷入する例は比較的稀である.全身麻酔下での摘出を要する場合,魚骨全体が舌組織に完全に迷入した例では,術中の異物位置同定に難渋することも多い.今回我々は,全身麻酔下で針を複数刺し術中にCTを撮影することで,舌に迷入した魚骨を摘出した例を経験した.</p><p>症例は73歳男性.主訴は嚥下時違和感.くえのあら煮を摂取し,その後より症状持続のため受傷後7病日に耳鼻咽喉科を受診した.CTで舌根部左側に1 cm大の線状の高吸収域を認め,魚骨の刺入が疑われた.全身麻酔下に術中超音波検査にて異物の位置確認を試みたが,切開後は陰影が定まらなくなり,位置同定困難となった.針を前後方向に3本ずつ計6本刺入し,全身麻酔を維持したままCT施行したところ,切開線尾側の注射針の後側2~3本目の間に魚骨異物が確認された.異物に近い注射針2針を残して他を抜去し,残した注射針を指標としながらさらに舌筋層を切開し,魚骨を同定し摘出した.術中位置同定に難渋する場合は,本症例のような工夫が有用になると考えられた.</p>

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