管理栄養士課程の大学生における平日の食生活の概況

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  • A survey of weekday eating habits of university students in registered dietitian training courses

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抄録

新型コロナウイルス感染症の拡大によって,厚生労働省は今までとは異なる生活パターン「新しい生活様式」を推奨し,栄養・食生活のポイントとして,バランスの良い食事で健康状態を良好に保つことが大切であること等をわかりやすく示している。そこで,本研究では,新型コロナウイルス感染症による社会の変化は,バランスの良い食事で健康増進を図ることを学修する管理栄養士養成課程の大学生における平日の食生活にも影響があるのではないかと考えた。自粛期間後(対面授業開始時の令和2年6月)と2年後の現在(対面授業のみ令和4年6月)(以下「2年後」)では,食生活や健康への意識はどのように変化したのかを明らかにすることで,これからの食育に役立てる基礎資料を得ることを目的とし,管理栄養士養成課程の大学生を対象に,食生活や生活習慣,意識の変化などについて調査を行った。  自粛期間後と比較すると,2年後の方が実家から通学する学生が増加していたものの,朝食摂食頻度は低くなっていた。また,朝食を食べたいという意識は高いが実践できていない傾向も見られ,食生活と食意識には乖離が見られた。一方,3食を毎日食べる意識の高さや栄養のバランスをとるなどの管理栄養士養成課程の学生ならではの特徴も見られたが,日常的に料理をする習慣がない学生も見られた。そして,学生生活における「勉強」,「趣味・娯楽」,「食事」,「調理」についての意識度は,趣味・娯楽が最優先されており,食事への意識は高いものの勉強や料理についての意識が高い学生は少ない傾向も見られた。更に,「食事」および「調理」への意識が高い学生は,「勉強」や「趣味」への意識が高いことが判明したため,食育や勉学への叱咤激励による食意識の啓発は,学修意欲を高め,学生生活を有意義なものへと導くことに繋がることが示唆された。しかし,コロナ禍で社会情勢は変容しているため,管理栄養士課程の大学生の平日の食生活についての影響や課題については,今後さらに詳しい調査や解析が必要である。

収録刊行物

  • 中国学園紀要

    中国学園紀要 (22), 7-15, 2023-06-16

    中国学園大学/中国短期大学

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