市民参加:海洋保護への推進力

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  • Citizen engagement : a driver for ocean protection

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抄録

海洋ゴミは,世界中の海や海岸線に影響を及ぼす地球規模の環境問題である。毎年800 万トン以上のプラス チックが海に流入し,世界の海の表層に少なくとも24 兆4 千億個のプラスチック粒子が存在すると推定されて いる。これらのプラスチックは,海面や堆積物,海氷,海底表面に見られる。1990 年以来,サーフライダー・ファ ウンデーション・ヨーロッパは,海洋ごみとの闘いをその活動の最前線に据えている。サーフライダーは,海洋 汚染への理解を深め,海洋環境に流入するゴミの量を減らし,海洋環境と人間への影響を低減するために活動し ている。NGO であるサーフライダーの活動は,この課題の根本的な原因となる問題に取り組むために,人々の 意識を高め,科学的研究を刺激し,政治的行動を開始することから始まる。地域社会と市民が活動プログラムの 核心であり,市民参加はその中心である。市民は,海洋ゴミの特徴,分布,輸送経路,野生生物と人間への潜在 的な影響に関するデータを収集し,残されている疑問に答えるだけでなく,政策の立案にも参加する。サーフライダーは,警告者,専門家,変革の担い手として,市民,科学者,意思決定者の間の対話を促進する。

収録刊行物

  • La mer

    La mer 61 (3-4), 155-163, 2024-03-27

    日仏海洋学会

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