食材の組み合わせや食べる順番が及ぼす間質液グルコース値上昇抑制効果の個人差について −フラッシュグルコースモニタリングシステムを用いた検証−

書誌事項

タイトル別名
  • Study of Individual Differences in the Effects of Food Combination and Meal Sequencing on the Suppression of Postprandial Interstitial Fluid Glucose Elevation − Investigation Using a Flash Glucose Monitoring System −

抄録

【目的】 食物繊維を含む食品やたんぱく質を含む主菜の摂取は、主食摂取による体内への糖質の吸収を穏やかにする働きをもつ。近年では、食事の食べる順番を変えることで血糖値の上昇を緩やかにする「食べ順ダイエット」が注目されている。本研究では、フラッシュグルコースモニタリング装置のFreeStyleリブレを用いて、食材の組み合わせや食べる順番が及ぼす間質液グルコース値上昇の抑制の効果およびその個人差を検討した。 【方法】 本試験に同意した若年女性健常者17名を対象にFreeStyleリブレを上腕部に装着させ、朝食の摂取より3時間にわたり15分間隔で間質液のグルコース値をモニターした。食事は、白飯150 g、キャベツ150 g( 食物繊維として2.7 g)、えん麦ふすま10 g(食物繊維として2.5 g)、焼き塩鮭80 gを用いた。間質液グルコース値上昇の比較は、食後2時間および3時間のグルコース値上昇曲線下面積(iAUC0-2およびiAUC0-3)を用いた。 【結果】 白飯のみ摂取の対照試験では、17名のiAUC0-2 は、6.81 ~ 1.69 mM・hと大きな個人差が見られた。上位9名をH-グループ、残り8名をL-グループとし、キャベツ摂取後に白飯摂取、白飯と焼き塩鮭摂取、キャベツ摂取後に白飯と焼き塩鮭摂取の3実験条件で比較すると、H-グループでは、キャベツや焼き塩鮭による間質液グルコース値上昇の抑制効果ならびにキャベツと焼き塩鮭の相加効果の傾向が見られた。しかし、L-グループでは3条件すべてで抑制効果は見られなかった。キャベツをえん麦ふすまに替えた場合も同様にH-グループとL-グループの差が見られた。 【考察】 食物繊維を含む食品の事前摂取やたんぱく質を含む主菜摂取による間質液グルコース値上昇を緩やかにする効果は、白飯摂取後に間質液グルコース値の上昇しやすい人には効果があるが、元々上昇しにくい人には効果が小さいことが示唆された。

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