ビタミンKとビタミンK関連物質による抗炎症作用とその機序

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タイトル別名
  • Anti-inflammatory Effects and Mechanisms of Vitamin K and Related Molecules

抄録

<p>ビタミンKは特定のタンパク質の翻訳後修飾 (Gla化) を介して血液凝固や骨恒常性などに寄与する一方で, 脳や精巣などのGla化活性が低い組織にも高濃度で分布するが, その意義は不明であった。我々は遺伝子発現を網羅的に解析した結果から, ビタミンKが抗炎症作用を有していることを見出し, その機序には核内因子κB (NFκB) 経路の活性化抑制が関係することを明らかとした。また, ビタミンK2の一種であるメナキノン-4の側鎖構造に類似したゲラニルゲラニオール (GGOH) もビタミンKと同様に抗炎症作用を有することを見出した。その作用点はビタミンKの標的分子よりもさらに上流にあるインターロイキン1受容体関連キナーゼ1 (IRAK1) の活性化の抑制によるものであった。また, ビタミンKは精巣において炎症時に活性化されるNFκBを抑制することによりテストステロン産生の減少を抑える可能性や, ビタミンKやGGOHが脳ミクログリア細胞での炎症も抑制する可能性も示されている。</p>

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参考文献 (17)*注記

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