投資紛争解決制度の現代的意義と課題
-
- Kawano Mariko
- 早稲田大学
Abstract
<p> 外国人投資家と投資受入国の間の投資紛争を国際的な仲裁によって解決する制度は,投資家にとっての外国投資に伴うリスクの軽減と国家にとっての投資紛争の政治化の回避の目的を持つ。こうした投資仲裁を保証するISDS条項を置く投資条約や投資章を含む自由貿易協定又は経済連携協定の急増に伴い,投資仲裁の先例の数も飛躍的に増加している。投資仲裁の先例はこの分野での国際法規則に関して重要な意味を持つようになっているものの,国家主権の尊重の観点から,各国の司法制度や立法制度に与える影響が指摘されるようになっている。これを受けて,常設の投資裁判所の設立を目指す議論も展開されている。EUがカナダ,シンガポール,ヴェトナムと締結した協定には,常設の投資裁判所の設立につながるような投資紛争の解決制度が置かれている。本稿では,ISDS条項に基づく投資仲裁及び常設の投資裁判所の設立を目指す議論の意義と問題点を検討する。</p>
Journal
-
- Financial Review
-
Financial Review 155 (0), 197-219, 2024
Policy Research Institute, Ministry of Finance, Japan
- Tweet
Keywords
Details 詳細情報について
-
- CRID
- 1390299903955308800
-
- ISSN
- 27584860
- 09125892
-
- Text Lang
- ja
-
- Data Source
-
- JaLC
-
- Abstract License Flag
- Allowed