Not to conflict : Strategies for disagreeing and nonverbal signs of disalignment in online and offline meetings

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抄録

本研究ノートは、対面およびオンライン形式の会議における話者意見への不同意の際のポライトネスの表出を、スタンステイキング理論から観察したものである。対象とするデータは、日本のある大学で毎年発行される学生による創作雑誌の編集者会議を録画・録音したもので、不同意や反対意見表明前後の会話を分析する。会議は対面形式で行われてきたが、新型コロナウイルスの蔓延により、オンライン形式へと変更されたこともあり、ふたつの形式による会議をデータとし、形式による差も議論の対象とする。また、スタンス分析時は言語使用のみではなく、非言語行動も分析対象とし、会議の形式によって会話にどのような差が生まれるのか、また不同意や相反する意見の表明時にどのような言語・非言語行動をとって衝突を回避しようとするのかを観察する。結果として、会話形式は、視線の違いや、ターン保持やポーズの時間に差を生み出す可能性があることが示された。一方、不同意時の衝突回避方策として、譲歩や直接的言及を避けるなどの言語的方策が用いられ、会話をポライトに進行しようとする参加者の意図が観察された。また、形式問わず、不同意の表明の際に、話者が後ろに少しのけぞったり、頭を触ったりするような行動が観察され、非言語行動が話者のスタンス表明に関連している可能性が示された。しかしデータが限られていることから、今後のさらなる研究が必要である。

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