ほんとうに,経腟分娩・母乳保育がよいのか
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- 永田 智
- 東京女子医科大学医学部
抄録
<p> 腸内細菌叢には,固有腸内細菌と通過型腸内細菌で構成されるものがある.固有腸内細菌は,妊娠中の母体栄養,分娩様式,授乳様式,授乳期の母体栄養の影響を受ける.生後の腸内細菌叢の樹立は,母体の腸内細菌叢が模範になっており,その情報授受は,早くも胎児期から行われている.胎児は,臍帯血中の母体由来の細菌群,母体腟細菌叢に暴露され,生菌刺激も受けている.胎児遺伝子発現は,母体栄養の影響を強く受ける可能性がある.一方,生直後から,食事中の抗原シグナルを制御する粘膜免疫装置(GALTs)が急速に発達を遂げるが,胸腺の成熟には時間がかかるため,過剰なシグナルを乳児側に与えないために,Bifidobacteriumが調節性Tリンパ球を自ら産生誘導し,その産生物である酢酸がT細胞の過剰反応を抑えていることも徐々にわかってきた.離乳期の栄養は,GALTs,胸腺ともにある程度成熟し,乳児の染色体は,外来刺激から安定的に護られる体制下で開始されるものと考えられる.</p>
収録刊行物
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- 日本周産期・新生児医学会雑誌
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日本周産期・新生児医学会雑誌 59 (4), 450-454, 2024
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390299903956041472
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- ISSN
- 24354996
- 1348964X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可