北ベトナムにおけるトウガラシ・ナス属等植物遺伝資源の共同探索,2022 年

書誌事項

タイトル別名
  • Collaborative Exploration of Capsicum and Solanum Genetic Resources in Northern Vietnam

抄録

本報告は農林水産省委託プロジェクト研究「海外植物遺伝資源の民間等への提供促進」において実施された,北ベトナムにおけるトウガラシ・ナス属等植物遺伝資源の共同探索・収集に関するものである.本探索は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)とベトナム農業科学アカデミー植物資源センター(PRC)との間で締結された共同研究協定に基づいて,2022年11月22~12月4日に行われた.本探索では,北ベトナムのラオカイ省バサットおよびイェンバイ省バンチャンの山岳地域において,トウガラシ属・ナス属植物を主とする植物遺伝資源の探索を行った.当該地域はザオ族,モン族,タイ族等の少数民族が居住する地域であり,現地農家の生産圃場,裏庭,地元市場から,成熟果実および種子を収集した.収集の結果,ナス科71点(トウガラシ属58点,ナス属13点),マメ科12点,ウリ科8点,その他4点を合わせた合計95点の植物遺伝資源が収集された.トウガラシ属植物については,居住民族の差異によらず,Capsicum frutescens L.が最も多く栽培・利用されていた.一方、ナス属遺伝資源については、ナス(Solanum melongena L.)の他、近縁野生種であるイヌホオズキ(S. nigrum L.)とS. trilobatum L.の食用利用がみられたものの、スズメノナスビ(S. torvum Sw.)は利用されていなかった.ベトナム北部には収集された種子はNAROとPRCのジーンバンクに保存され,利用可能な遺伝資源として利用される.

収録刊行物

  • 植物遺伝資源探索導入調査報告書

    植物遺伝資源探索導入調査報告書 39 85-104, 2024-03-31

    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 基盤技術研究本部遺伝資源研究センター

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