大学生の隠れ肥満と人格特性、 生活習慣および心理的ストレスの関連性

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between hidden obesity, personality traits, lifestyle habits, and psychological stress in university students

抄録

[目的] 本研究では、隠れ肥満の形成要因を明らかにするため、一般性格傾向、生活習慣、心理的ストレスとの関連性について検討することを目的とした。 [方法] 被調査者:大学生879名(平均19.59歳、SD=1.39)を分析対象者とした。 質問紙:健康度・生活習慣診断検査(Diagnostic Inventory of health and Life Habit: DIHAL.2)、心理的ストレス反応尺度(Stress Response scale-18;SRS-18)、Eating attitudes test-26(EAT-26)日本語版、新版TEGⅡ(Tokyo University Egogram 東大式エゴグラムNew Ver.Ⅱ)、食習慣および食の嗜好性に関する調査の各尺度を用いた。 [結果と考察] 隠れ肥満の形成要因を明らかにするため、DIHAL.2、SRS-18、EAT-26、TEGⅡ、食習慣および食の嗜好性に関する調査の各下位尺度ついて、それぞれ分散分析および重回帰分析を行った。分散分析の結果、隠れ肥満群では他の群に比べ運動意識が高い一方で、睡眠の規則性や身体的健康度は低いことが示された。また、隠れ肥満群は標準群に比べて無気力と不安が高い可能性が示された。隠れ肥満の一般性格傾向として、感情を抑制し葛藤が強く生じている可能性が示された。摂食態度については、食事に関する不安や肥満への恐怖を感じることも多く、ダイエット行動に取り組むことが示され、強い食行動異常が含まれる可能性も示唆された。  重回帰分析の結果、隠れ肥満と生活習慣および摂食態度との間にそれぞれ関連性が見られた。  以上の結果から、生活習慣の改善や心理的ストレス対処の強化が隠れ肥満防止の重要な要因であることが示唆された。今後はより欠損のないデータで分析を行うことや、痩せにも注目して生活習慣や性格特性との関連性を検討していく必要があると考えられる。

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