美術表現における「指さす」身振り : レオナルド・ダ・ヴィンチによる素描を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • Pointing Gesture in Art : A Study Primarily of Several Drawings by Leonardo da Vinci
  • ビジュツ ヒョウゲン ニ オケル 「 ユビサス 」 ミブリ : レオナルド ・ ダ ・ ヴィンチ ニ ヨル ソビョウ オ チュウシン ニ

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抄録

人物像を用いた美術表現において,身体表現は作品の主要な要素の一つとなる.時に,題名等によって示されていない核心的な内容が,人物像の身振り,手振りによって伝えられることさえある.   ルネサンス期に生きたレオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci, 1452- 1519)においても,身振り表現は特に重要性を持ち,印象的な動作の描写が観る者を惹きつける.本論では,美術表現において身振りが果たす役割とその可能性を追究するべく,その一例として,そうしたレオナルドによる身振り表現のうち,初期から最晩年に至るまで繰り返し扱われ,意味合いや機能からもどこか特異に見える「指さし」に着目する.実際の身振りとしての特質を踏まえつつ,素描,スケッチという,写実描写に加えて全体の構想や直感的イメージの描写も時に含まれる形式での作例を入口として,レオナルドによる表現の独自性とそれを成立させている要因について,この身振りを軸とする幾つかの観点から考察を試みる.

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