ビオチン-ストレプトアビジンELISAによる馬鈴薯由来の自然毒成分の検出

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タイトル別名
  • Detection of natural toxins derived from potatoes by biotin-streptavidin direct ELISA

抄録

<p>馬鈴薯が有する自然毒成分α-ソラニン(SO)およびα-チャコニン(CHA)はしばしば食中毒の原因となる。我々は以前,SOとCHAに結合するポリクローナル抗体(anti-Sold antibody)を作製し,それを使用した酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を構築した。このELISAはSOとCHAの検出感度が低いという弱点があるため,本研究ではその改善を図った。試料中のSOおよびCHAをELISAプレートにコーティングし,そこにビオチン標識したanti-Sold antibodyを添加,さらにペルオキシダーゼ標識したストレプトアビジンを添加するELISAを試みた。本法により,10 mMリン酸緩衝液で調製したSOとCHAを含む試料の吸光度は,従来のELISAの約5倍に増強した。さらに,ヒトの血清および尿で調製したSOとCHAを含む試料の吸光度は,従来のELISAのそれぞれ約2.5倍と約1.6倍に増強した。本ELISAを用いて,馬鈴薯の塊茎,皮,芽の成分抽出液からもSOとCHAの含有量を測定することが可能であった。一方で,本ELISAは,SOやCHAと化学構造が類似する物質であるソラニジンやソラソジンと交差反応を示し,血清中のコレステロールとも反応することがわかった。本ELISAはヒトの生体試料にも適応可能な検出性能を有するが,結果の判定には交差反応を充分に考慮すべきである。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 73 (2), 258-270, 2024-04-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299926126181632
  • DOI
    10.14932/jamt.23-87
  • ISSN
    21885346
    09158669
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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