理系研究室における留学生の人間関係構築とスピーチスタイル選択

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書誌事項

タイトル別名
  • Relationship Building and Speech Style Selection by International Students in Science Laboratories

抄録

<p>本研究では理工系研究室において日本語でコミュニケーションを行っている中国語母語話者の大学院留学生4名を対象に,研究室においてどのような人間関係構築の経験をし,その結果としてどのようなスピーチスタイルを選択したのかというプロセスについてインタビューを実施し,M-GTAによって分析を行った.分析の結果,【研究室という場の認識】【希望する関係性】【会話機会への参加】【スピーチスタイルの選択】【経験の評価】の5カテゴリーで,彼らのプロセスが語られた.彼らは各々の希望する関係性に基づいた積極性でフォーマル/インフォーマルな会話機会に参画し,人間関係構築に対してうまくいった/うまくいかないという感覚を持ったが,結果として得た満足度は会話機会への積極性とは必ずしも一致しなかった.また,人間関係構築に伴うスピーチスタイル選択のプロセスは一様ではなかった.スピーチスタイル選択の規範意識や日本語能力の限界だけでなく,自らの望む人間関係と現実の親密度との調整や研究室における自己呈示の一手段として主体的に選択した結果であることが確認された.留学生は自らの希望と周囲との折り合いをつけながら自らの立ち位置を開拓(確立)し,経験を過去・現在・未来の経験の中で統合することによって納得に至っていた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299937187336064
  • DOI
    10.19024/jajls.26.2_19
  • ISSN
    21897239
    13443909
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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