海氷-海洋境界層における乱流混合と熱塩バランスについて

DOI HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Turbulent mixing and heat/salt balance in the ice-ocean boundary layer

抄録

本研究は,海氷-海洋境界層における乱流による熱塩輸送と海氷の成長・融解について,北極海中央海盆域で現地調査を実施した.この観測では,海氷とともに砕氷船を漂流させながら海氷直下の観測を継続的に行い,海氷運動による境界層内の水温,塩分の時空間構造,および,乱流混合に関する知見を得た.多層式流向流速計を用いた調査では,水平流速が深さとともに時計回りに回転するエクマン螺旋の構造を捉えた.乱流エネルギー(TKE)の生成項を計算し,乱流計により得られたTKEの散逸率と比較すると,TKEの生成項と散逸項が混合層上部で均衡する結果を得た.一方,混合層下部ではTKEの散逸項が生産項を大きく上回っており,海氷の慣性振動による海洋上層での内部重力波の発生が要因として考えられる.

収録刊行物

  • 低温科学

    低温科学 82 57-68, 2024-03-29

    低温科学第82巻編集委員会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299981562947072
  • DOI
    10.14943/lowtemsci.82.57
  • HANDLE
    2115/91846
  • ISSN
    18807593
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

問題の指摘

ページトップへ