術中超音波検査が腎温存に有用であった下大静脈原発平滑筋肉腫の1例

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  • A CASE OF LEIOMYOSARCOMA ARISING FROM THE INFERIOR VENA CAVA

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抄録

<p>症例は76歳の女性で,検診の腹部超音波検査で後腹膜腫瘍を指摘され,前医を受診した.造影CTで膵頭部背側に5cm大の腫瘤を認め,精査加療目的で当科へ紹介となった.超音波内視鏡検査により下大静脈が原発と思われ,生検により,平滑筋肉腫の診断となった.下大静脈造影では同部位に欠損像を認め,両側の腎静脈は造影されなかった.しかし,右腎静脈への選択的カニュレーションは可能であった.術前に右腎摘,または右腎自家移植を含めた腫瘍摘出術を考慮したが,術中超音波検査で下大静脈前壁の腫瘍が右腎静脈内に突出しているだけであったことから右腎を温存,かつ下大静脈の半周性の切除により腫瘤を摘出できたため,下大静脈をポリテトラフルオロエチレンパッチで再建した.合併症なく術後13日目に退院となった.今回,われわれは稀な下大静脈原発平滑筋肉腫の1切除例を経験した.腎静脈分岐部の下大静脈腫瘍には術中超音波検査による腫瘍の位置,および腎静脈内への浸潤の有無を把握することが肝要であると思われた.</p>

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