工業用無補充式セルフクリーニングpH電極の製品開発

DOI
  • 西尾 友志
    株式会社堀場アドバンスドテクノ開発本部基盤技術研究開発部
  • 室賀 樹興
    株式会社堀場アドバンスドテクノ開発本部基盤技術研究開発部
  • 髙味 拓永
    株式会社堀場アドバンスドテクノ開発本部基盤技術研究開発部
  • 橋本 忠範
    三重大学大学院工学研究科応用化学専攻
  • 石原 篤
    三重大学大学院工学研究科応用化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Product Development of Industrial Non-refillable Self-cleaning pH Electrode

抄録

<p>工場廃水のpH測定では,連続して測定がなされるため,さまざまな有機化合物や微生物によるpH応答ガラスの汚れや,比較電極液絡部の目詰まりが問題となっている.したがって,安定した正確な測定を行うためには,定期的な洗浄と校正が必要であり,作業者への負荷や安全上のリスクが大きいという問題がある.それらの問題を解決するために,著者らはこれまで物理的及び化学的耐久性に優れたpH応答ガラスや防汚機能を有するpH応答ガラスの開発,塩化カリウム(KCl)内部液の補充が不要なpH電極などの開発を行ってきた.今回はpH電極ガラス部へ二酸化チタン(TiO2)をコーティングし,UV-LEDを内蔵した自己洗浄機能を有するpH電極を開発した.その電極は内部液にKCl顆粒を内包し,紫外線透過性が高い非水溶性ゲルを用い,その液絡には目詰まりを無くすために貫通口(オープンジャンクション)を採用した.さらにLEDを点灯させるための定電流発生源付中継ボックスや電極を設置するためのアクセサリーも開発した.その電極は,従来のpH電極と遜色ない基本性能を有し,有機物汚れでメンテナンス負荷の大きな現場での試験(実装試験)でも一定期間ノーメンテナンスを実現した.本稿ではその電極の構造や防汚メカニズム,基本性能のほか,工場廃水や生活廃水などの実現場での連続測定結果の詳細について述べる.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 73 (4.5), 171-183, 2024-04-05

    公益社団法人 日本分析化学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390300147448101632
  • DOI
    10.2116/bunsekikagaku.73.171
  • ISSN
    05251931
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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