造影超音波による乳癌広がり診断

  • 島 宏彰
    札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科
  • 近藤 裕太
    札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科
  • 里見 蕗乃
    札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科
  • 九冨 五郎
    札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科
  • 竹政 伊知朗
    札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科

書誌事項

タイトル別名
  • Methodology for contrast-enhanced ultrasound to determine the extent of breast cancer

抄録

<p>この項では乳癌診療の中で乳癌の診断と手術までの精査,手術直前の広がり診断に関して検査の流れについて解説する.そして,超音波検査の位置づけと,とくに造影超音波について取り上げる.造影超音波で用いる第2世代超音波造影剤ソナゾイドは,CTや乳房MRI検査の水溶性造影剤と異なり血管外へ漏出しない純粋な血管内造影剤であることが知られる.したがって,詳細な血流情報が得られることが期待され実地臨床にも応用されている.一般的に組織学的な乳癌の確定診断がなされた後,マンモグラフィ,超音波検査(エラストグラフィ,カラードプラ),乳房MRI検査の結果から総合的な広がり診断を行っていく.この過程で見つかった病変に対してはSecond-look USがなされ,個別に質的診断がなされる.これらをもとに総合的に評価して選択可能な術式を決定する.術式決定もさることながら部分切除を選択した場合は切除範囲決定のうえで,広がり診断が重要となる.各モダリティの意義に触れながら,造影超音波がどのような位置づけとなっているのか,どのような意義があるのかについて解説する.最後に実際の症例から具体的にどのような流れで手術に至るのかについても触れたい.</p>

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 51 (3), 137-145, 2024

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (5)*注記

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