手根管開放術を契機に診断された多発性骨髄腫の1例

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抄録

<p>【はじめに】手根管症候群(CTS)に対し鏡視下手根管開放術(ECTR)を行い,術中に採取した横手根靱帯の病理所見から最終的に多発性骨髄腫(MM)の診断に至った1例を経験したので報告する.【症例】約1年前からの両手のしびれを主訴に当科を受診,両側母指~環指橈側のしびれと知覚障害を認め,手根管入口部でのTinel徴候が両側陰性,Phalen test両側陽性,神経伝導速度検査では正中神経の運動神経終末潜時は右9.4ms,左9.1msと遅延を認め,両側CTSの診断でECTRを行った.術中に採取した横手根靱帯の病理所見はCongo-red染色が陽性でありアミロイド沈着を認めた.術後精査にて免疫グロブリン遊離L鎖κ/λ比の高値,尿中Bence-Jones蛋白を認めALアミロイドーシスが疑われた.血液内科にて骨髄穿刺が行われMMの診断に至った.【まとめ】手根管開放術を契機に診断されたMMの1例を経験した.手術における病理組織検査は全身性アミロイドーシスの早期診断に繋がることが示唆された.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390300147449649280
  • DOI
    10.5035/nishiseisai.73.68
  • ISSN
    13494333
    00371033
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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