八甲田山における地温変化が土壌窒素無機化速度に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of soil temperature change on soil nitrogen mineralization rate in the Hakkoda mountain range
  • ハッコウダサン ニ オケル チオン ヘンカ ガ ドジョウ チッソ ムキカ ソクド ニ オヨボス エイキョウ

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説明

森林生態系における土壌窒素の形態変化は、生態系の一次生産や養分循環にとって森林生態系における土壌窒素の形態変化は、生態系の一次生産や養分循環にとって重要なプロセスである。本州北部の八甲田山において、標高別の土壌窒素無機化・硝化速度の特性、標高に沿った地温の違いによる速度変化を調べた。標高400$301C1,400 mの範囲で、標高200 mおきに計6地点を調査地に設定した。各調査地においてバリード・バッグ法とレジンコア法を用いて標高別の正味窒素無機化・硝化速度を求めた。正味窒素無機化・硝化速度は標高傾度に沿った単調変化を示さなかった。全体として正味アンモニウム態窒素(NH4-N)の生成が正味硝酸態窒素(NO3-N)の生成よりも高い傾向が認められた。また、土壌内で生成したNH4-Nは降雨浸透によって速やかに下層へ溶脱し、それがNO3-N動態や正味窒素無機化速度に影響を及ぼしていることが示唆された。これらの結果と、標高600 mおよび1,000 mで採取した土壌を用いた現地移動培養実験の結果を組み合わせると、将来の地温上昇によって土壌微生物によるNH4-NやNO3-Nの正味生成速度が上昇することが示唆された。

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