日本における自殺対策推進の軌跡と今後の展望

  • 小祝 望
    前国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部
  • 越智 真奈美
    前国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部 国立研究開発法人国立成育医療研究センター政策科学研究部
  • 松繁 卓哉
    国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Trajectory of the promotion of suicide prevention measures and their future prospects in Japan
  • Including revisions to the General Principles of Suicide Prevention Policy
  • 自殺総合対策大綱の変遷を踏まえて

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説明

<p>日本では,1998年の自殺者数急増を契機に,自殺問題が社会的注目を集め,自殺対策基本法の改正や自殺総合対策大綱の見直し等を経ながら,自殺対策が国を挙げて推進されてきた.また,他方では,近年,新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まり,国内の自殺者の動向に変化がみられている.本稿では,まず,自殺総合対策大綱の策定と見直しの変遷を概観しながら,日本の自殺対策を振り返った.次に,コロナ禍での日本国内の自殺に関わる状況を整理し,女性や子どもの自殺者数の増加といった変化がみられること,また,この背景として,女性非正規職員の問題や子どものコミュニケーションの減少等の問題が指摘されていること,さらに,コロナ禍で決定された第4次自殺総合対策大綱には,これらの課題を踏まえた対策が記載されていることを示した.自殺総合対策大綱や自殺対策の実行に関する課題としては,緊急時における迅速な対応,各施策の有効性の検討,SNS上の誹謗中傷への対応,自殺対策のプラットフォームの発展が重要である.</p>

収録刊行物

  • 保健医療科学

    保健医療科学 73 (2), 136-146, 2024-05-31

    国立保健医療科学院

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390300533228864768
  • DOI
    10.20683/jniph.73.2_136
  • ISSN
    24320722
    13476459
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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