超高齢者における顎関節症症状とオーラルフレイル・フレイルとの関連

DOI
  • 水口 一
    岡山大学病院歯科・口腔インプラント科部門 一般社団法人日本顎関節学会疫学調査委員会
  • 小山 響央
    徳島大学歯学部
  • 吉川 峰加
    広島大学大学院医系科学研究科先端歯科補綴学
  • 平岡 綾
    広島大学大学院医系科学研究科先端歯科補綴学
  • 吉田 光由
    藤田医科大学医学部歯科口腔外科学講座
  • 三木 春奈
    岡山大学病院歯科・口腔インプラント科部門
  • 西山 暁
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科総合診療歯科学分野 一般社団法人日本顎関節学会疫学調査委員会
  • 津賀 一弘
    広島大学大学院医系科学研究科先端歯科補綴学 一般社団法人日本顎関節学会疫学調査委員会
  • 松香 芳三
    徳島大学大学院医歯薬学研究部顎機能咬合再建学分野 一般社団法人日本顎関節学会疫学調査委員会

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between temporomandibular disorders and oral frailty/frailty in older people

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説明

<p>目的:口腔機能の低下が低栄養を介して全身へ影響を及ぼすことが知られている。一方,顎関節症症状により口腔機能が低下した場合,同様の影響が生じる可能性が考えられるが十分解明されていない。そこで本研究は,顎関節症症状と口腔機能低下や全身との関連を解明することを目的とした。</p><p>方法:2019年から2021年に岡山県・徳島県・広島県の高齢者施設に入所中の高齢者を対象に質問票調査を行った。対象は文書による同意が得られた高齢者145名(平均年齢87.1±7.7歳)とし,顎関節症症状(DC/TMD質問票),フレイル/オーラルフレイル(厚生労働省基本チェックリスト),咀嚼能力(平井式摂取可能食品アンケート)および体重の変化を回答させた。高齢者を顎関節症症状あり群と顎関節症症状なし群に分け,フレイル/オーラルフレイル,BMI,咀嚼スコア,体重減少との関連について検討を行った。</p><p>結果・考察:顎関節症症状あり群の咀嚼スコアが有意に高かった(p=0.01,t-test)が,他の因子との有意な関連はなかった。顎関節症症状を細分化したところ,体重減少と開口困難に有意な関連が認められた(p=0.02,Fisher's exact test)。しかし本研究には多くのlimitationが含まれており,高齢者における顎関節症症状と全身状態との関連について,フレイルや体重減少を含めたさらなる検討が必要と考えられた。</p>

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