乳幼児期スクリーンタイムと神経発達の予後:知見を振り返る

  • 土屋 賢治
    浜松医科大学子どものこころの発達研究センター 大阪大学大学院連合小児発達学研究科
  • ラハマン M・ショフィウル
    浜松医科大学子どものこころの発達研究センター 大阪大学大学院連合小児発達学研究科
  • 高橋 長秀
    大阪大学大学院連合小児発達学研究科 名古屋大学医学部附属病院親と子の心療科
  • 西村 倫子
    浜松医科大学子どものこころの発達研究センター 大阪大学大学院連合小児発達学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Screen time in infancy and neurodevelopmental outcome : a review of findings

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説明

スマートフォンやタブレットをはじめ,ゲームやテレビ,コンピュータなどおよそデジタル画面を視聴する1日あたりの時間をスクリーンタイム(ST)という。筆者らは,先行研究および自験データを通じて,乳幼児期STと神経発達の関連を多角的に検討した。その結果,乳幼児期のSTが長いほど,前学童期の神経発達,特に言語・コミュニケーション機能の発達に遅延が生じやすいことがわかった。しかし,1)STが教育的内容であったり,保護者との共視聴であったりすれば,遅延は生じない,2)乳幼児期のSTと社会機能や日常生活機能,運動機能に関連はない,3)outdoor activitiesがSTの総量を減らし,STと神経発達の関連のバッファとなることがわかった。よって,乳幼児期のSTと神経発達の関連は因果的とはいえない。むしろ,乳幼児期のSTは神経発達の遅延や神経発達症の遺伝的リスクの発現の一様態であるかもしれない。

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