4’―ヒドロキシアゾベンゼン―4―スルホン酸ナトリウムの教材としての利用

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タイトル別名
  • Sodium 4'-Hydroxyazobenzene-4-sulfonate as a Teaching Material

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説明

<p>アゾ色素は、常用されている合成色素の大半を占めており、高等学校の教科書におけるp―ヒドロキシアゾベンゼンや大学の有機合成実験におけるオレンジⅡのように、教材としても広く用いられている物質である。本報では、オレンジⅡと同様にして合成でき、 p―ヒドロキシアゾベンゼンにスルホン酸基が1個だけ増した簡単な構造を持つ4'―ヒドロキシアゾベンゼン―4―スルホン酸ナトリウム(HAS)の教材としての利用について述べる。HASは、教材として次のような特徴を持つ。 i)中性水溶液中でアゾ型として存在し、オレンジⅡのようなアゾ型とキノイド型の互変異性を考えなくても済むため、構造や吸収スペクトルの説明が容易である。 ii)酸性アゾ色素として食品色素とー諸に薄層クロマトグラフィー (TLC)を行うことができ、アゾ色素の身近な用途を知るのに好適である。また、これによりTLCの分離手段としての有用性を効果的に示すことができる。このような特徴から、 HASは高等学校におけるpーヒドロキシアゾベンゼンの発展学習、あるいは大学における基礎的な有機合成の教材として適当であろう。 HASの合成とTLCは、教職を目ざす大学生にとっては、中学校理科の「物質の分離」で必要とされる再結晶やクロマトグラフィー等の基礎技術の習熟に役立つ点でも有意義と考える。</p>

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