特発性多中心性Castleman 病に合併した難治性下腿潰瘍の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Intractable Lower Leg Ulcer with Idiopathic Multicentric Castleman's Disease
  • トクハツセイ タチュウシンセイ Castlemanビョウ ニ ガッペイ シタ ナンチセイ カタイ カイヨウ ノ 1レイ

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説明

<p>47 歳,男性。約 2 年前より左下腿に潰瘍が出現し,拡大傾向であったため約 1 年前に前医を受診した。 外用治療を行われるも難治であり,潰瘍は徐々に拡大したため当科を紹介され受診し,精査加療目的に入院となった。入院時,左下腿の腫脹とほぼ全周にわたる潰瘍に加え,発熱,全身倦怠感,貧血,低栄養を認めた。背景の基礎疾患を検索したところ,血清 IL-6 値の上昇と CT 検査上,左鼠径部から傍大動脈周囲にかけて多発するリンパ節腫大を認めた。左鼠径部リンパ節生検を施行したところ,病理組織学的に硝子血管型 Castleman 病が疑われ,ほかの所見と合わせて特発性多中心性 Castleman 病と診断した。プレドニゾロン(PSL)15 mg/ 日の内服を開始し,発熱と全身倦怠感は改善傾向となった。潰瘍に対しては感染のコントロールを行い,デブリードマンおよび分層植皮術を施行した。2 回の分層植皮術と局所の圧迫,外用治療で潰瘍はほぼ上皮化し,PSL は徐々に減量した。Castleman 病と下腿潰瘍の合併は比較的稀ではあるが,全身症状を伴う難治性の下腿潰瘍に対しては本症を疑う必要があると考えた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 86 (3), 233-237, 2024-06-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (11)*注記

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