セラミド構造の多様性によるスフィンゴ糖脂質の機能制御

  • 稲森 啓一郎
    東北医科薬科大学分子生体膜研究所機能病態分子学教室
  • 狩野 裕考
    東北医科薬科大学分子生体膜研究所機能病態分子学教室
  • 新田 昂大
    順天堂大学薬学部病態制御学分野 順天堂大学大学院医学研究科環境医学研究所
  • 井ノ口 仁一
    大阪大学大学院理学研究科フォアフロント研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Regulation of glycosphingolipid functions by structural diversity of ceramide moiety
  • セラミド コウゾウ ノ タヨウセイ ニ ヨル スフィンゴ トウ シシツ ノ キノウ セイギョ

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説明

スフィンゴ糖脂質には,糖鎖構造の違いに加えてセラミド構造の違いによる多様性により非常に多くの分子種が存在する.シアル酸を含むスフィンゴ糖脂質であるガングリオシドは,上皮成長因子(EGF)やインスリン,レプチンなどの受容体とのシス相互作用により,それらのシグナルを制御している.一方で近年,ガングリオシドGM3のセラミド構造の違いに基づく多様な分子種が,Toll-like receptor 4(TLR4)の内因性リガンドとして自然免疫応答を正負両方向に制御すること,さらに,中性糖脂質のグロボシドや硫酸化糖脂質スルファチドもTLR4の活性化調節に関わることが見いだされている.ここでは,セラミド構造の多様性に基づくスフィンゴ糖脂質によるTLR4の機能制御について,最近の知見を交えながら概説する.

収録刊行物

  • 生化学

    生化学 96 (4), 448-456, 2024-08-25

    公益社団法人日本生化学会

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