Dīpaṃkaraśrījñānaの<i>Acalasādhana</i>について

書誌事項

タイトル別名
  • On the <i>Acalaādhana</i>s of Dīpaṃkaraśrījñāna
  • On the Acalaadhanas of Dipamkarasrijnana

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説明

<p> Dīpaṃkaraśrījñāna はさまざまな尊格に対する成就法を著しており,その中にAcalaに対する成就法,Krodharājācalaādhana(P. no. 4892)がある.彼は,Acala に対する二つの讃歌,Acalakrodharājastotra I(D. no. 3060, P. no. 3884)と,同名のAcalakro­­dha­­rā­­ja­­stotra II(D. no. 3061, P. no. 3885)も著している.また,Acala は,Mahāroṣaṇaとしても知られており,彼はその成就法であるCaṇḍamahā­­roṣa­­ṇasā­­dha­­na­­paramārtha(P. no. 4896)も著している.さらに,彼は,師であるDharmakīrti(gSer gling pa)のAcalasādhana(D. no. 3059, P. no. 3883)をチベット語に翻訳しており,彼によるAcala関係の著作は5書となる.</p><p> これらの著作において描写されるAcalaの図像的特徴は,ほぼ一致しており,彼はAcalaに対する複数の図像的解釈の伝承を継承していなかったことがわかる.二つの讃歌のうち,IはAcalaの図像的特徴を視覚的に説明するのに対し,IIは比喩で説明し,さらにgSer gling pa による成就法で言及されるAcalaの十変化身を引用する.このことから,先にIが著され,それと差別化してIIが後に著されたと推定できる.また,二つの成就法についても,最初のAcala成就法は,オーソドックスなスタイルで説明するのに対して,Mahāroṣaṇa成就法は「誰に対しても説かれるべきものではない」と述べ,性瑜伽を用いた成就法を解説している.後者においも,尊格はAcalaと呼ばれており,その成就法のスタイルが全く異なるために異なるタイトルが付された可能性がある.</p>

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参考文献 (1)*注記

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