ユディシュティラの悲しみ・罪禍の克服に関する内容的重複について――『マハーバーラタ』第12巻及び第14巻の成立に関する考察――

書誌事項

タイトル別名
  • The Double Cleasening of Yudhiṣṭhira’s Sorrow/Sin: A Study of the <i>Śāntiparvan </i>and the <i>Āśvamedhikaparvan</i> of the <i>Mahābhārata</i>
  • The Double Cleasening of Yudhisthira's Sorrow/Sin : A Study of the Santiparvan and the Asvamedhikaparvan of the Mahabharata

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説明

<p> 古代インド叙事詩『マハーバーラタ』(紀元前2世紀半ばから紀元後4世紀頃成立)には,しばしば内容的重複が見られ,先行研究ではそのような重複は各部分が異なる成立段階において挿入されたものであることを示すものとして議論されてきた.</p><p> クルクシェートラの戦いの後,第12巻において,ユディシュティラは親族たちを殺してしまったことを悲しむ.彼を慰めるためにヴィヤーサやビーシュマが様々な教説・古譚を語り,ユディシュティラは悲しみを克服する.しかし,第14巻において再び彼は親族殺しの罪を悲しみ,その罪に対する贖罪として馬祀祭を挙行する.徳永は,第12巻には,死者を弔い遺族の悲しみを取り除く水供養(udakakriyā)の構造が反映されていることを指摘し,第14巻については第12巻の後に挿入されたとしている.</p><p> 本研究では,(1)Spitzer写本(紀元後3世紀後半)に見られる現存最古の『マハーバーラタ』の目次には第12巻と第14巻がともに言及されていること,(2)第12巻は水供養によって悲しみを除去することがテーマになっているのに対して,第14巻は馬祀祭による親族殺しの罪禍を償うことに主眼があり,それぞれ目的が異なること,を考慮すると,現段階では第12巻と第14巻の前後関係を決定することは難しいことを指摘する.</p>

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