初診時に強皮症性腎クリーゼを呈した抗RNAポリメラーゼIII抗体陽性全身性強皮症の一例
書誌事項
- タイトル別名
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- A case of anti-RNA polymerase III antibody-positive systemic scleroderma diagnosed by renal biopsy
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説明
<p>強皮症性腎クリーゼ(scleroderma renal crisis; SRC)は全身性強皮症(systemic sclerosis; SSc)に随伴する予後不良な腎傷害で,臨床的には急速に進行する腎不全を特徴とし,しばしば微小血管障害性溶血性貧血(MAHA)を伴う。本稿では全身性強皮症の診断時にSRCを示したSScの1例を報告する。症例は78才,男性。20XX年Y月1日,心窩部痛と全身倦怠感を主訴に近医を受診し,腎機能障害と胸部食道がんを指摘され,同月14日当院を紹介受診し入院となった。血液検査で高血圧,両側胸水,貧血,血小板減少,腎機能障害を認め,末梢血塗抹標本では破砕赤血球が観察された。診断を確定する目的で腎生検を行い,細動脈の多層同心円状壁肥厚と内腔の狭小化,糸球体係蹄の虚脱と毛細血管内皮細胞傷害を認めた。modified Rodnan total skin thickness score(m-Rodnan TSS)mRSS 27点の皮膚硬化と抗RNAポリメラーゼIII(RNAP 3)抗体陽性を認めたことから,SRCを伴うびまん性皮膚硬化型全身性強皮症(diffuse cutaneous SSc; dcSSc)と診断した。抗RNAP 3抗体陽性dcSScではしばしば診断時にSRCを伴い悪性腫瘍を合併する。速やかな診断と適切な治療介入が不可欠と考える。</p>
収録刊行物
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- 医学検査
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医学検査 73 (4), 850-856, 2024-10-25
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390301949907821696
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- ISSN
- 21885346
- 09158669
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可