ワクチン未接種の子どもたち(Zero-dose children)の現状と課題
書誌事項
- タイトル別名
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- The current situation and challenges for zero-dose children
- Emerging necessity of Japan's contribution to global health
- 日本の国際保健への貢献の必要性
説明
<p>ワクチン接種は,国際保健分野において最も費用対効果の高い医療投資の一つであり,持続可能な開発目標(SDGs)に含まれる.Zero-dose childrenとは,特に三種混合(DTP=ジフテリア,破傷風,百日咳)ワクチン全3回中1回も受けていない人を指し,国際機関・官民イニシアチブの指標に用いられる.2019年以前は,ワクチン接種率が順調に増加し,2019年DTP-1接種率の世界平均は90%程度であったが,2019年から2021年にかけてDTP-1接種率は減少し,2021年は86%まで減少した.この背景には,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う医療機関の閉鎖・オーバーワーク,ロックダウンや物資不足,ワクチン不信,さらには紛争や気候変動の影響が挙げられる.日本は国際社会の中で,COVID-19ワクチンの世界的な公平な分配を目的としたCOVID-19 Vaccines Global Access (COVAX)や,病院や保健所にワクチンを運搬輸送する「ラスト・ワン・マイル支援」に大きく貢献した.COVAXの活動は2023年末を持って終了し,次はGaviワクチンアライアンスの増資会合が迫る.日本が積極的取り組みを表明し,他国において残存するZero-dose問題に協力することは大きな意義があると考える.</p>
収録刊行物
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- 保健医療科学
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保健医療科学 73 (4), 330-335, 2024-10-31
国立保健医療科学院
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390302172847704576
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- ISSN
- 24320722
- 13476459
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可