説明
<p>【背景】一般的に悪性腫瘍手術の術後創部感染は術後化学療法の実施を困難にし,生命予後を悪化させる因子の1つとされる.一方で骨肉腫では,基礎実験等で免疫の活性化による骨肉腫の進行抑制が報告されるなど,感染による免疫の活性化が生命予後を改善させる可能性が示唆されている.【対象と方法】2006年から2021年に当科で診療を行った78例のうち,手術を実施し,データ入手可能であった66例を対象とし,後方視的に臨床情報を収集した.【結果】対象群の診断時年齢中央値は17歳,部位は大腿骨が最多で29例,続いて脛骨が17例であった.66例中,11例(16.7%)に創部感染を発症した.5年及び10年生存率は,感染例100%/88.9%,非感染例78.6%/66.2%であった(p=0.1342).【結語】骨肉腫患者では術後創部感染は予後を悪化させず,むしろ感染例で予後良好である傾向を示した.しかし,最終的な結論を得るにはより多数例での解析が必要である.</p>
収録刊行物
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- 整形外科と災害外科
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整形外科と災害外科 73 (4), 847-849, 2024-09-25
西日本整形・災害外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390302172849624320
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- ISSN
- 13494333
- 00371033
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可