区切り枠による視覚探索の促進効果は枠の顕著性に依存する
書誌事項
- タイトル別名
-
- Facilitation of visual search by spatial dividers depending on the saliency of the dividers
説明
視覚探索画面に区切り枠をつけて小領域に分けると、逐次探索が促進される(Nakashima & Yokosawa, 2013)。これは、探索画面内の刺激がグループ化されることで、視覚的注意が各刺激に効率的に向けられるようになるためだと考えられる。本研究では、この区切り枠の効果が、枠が目立つ場合(枠の顕著性が高い場合)にどうなるかを検討した。実験では、Lの形の中からTの形を探索する視覚探索課題において、アイテム数を16個、32個と操作した。その際、探索領域を区切り枠で1×1個、4×4個に分割した。この区切り枠は黒色(先行研究と同じ色。顕著性低)または黄色(顕著性高)であった。探索関数を指標とした分析を行ったところ、黒色枠をつけると探索関数の傾きが小さくなり、探索効率が向上することが確認できた。一方、黄色枠をつけても探索関数の傾きと切片は変わらなかった。よって、顕著性の低い区切り枠は視覚探索を促進するが、顕著性の高い枠の影響はほぼないと考えられる。
収録刊行物
-
- 日本認知心理学会発表論文集
-
日本認知心理学会発表論文集 2024 (0), 12-12, 2024
日本認知心理学会